2010年4月18日日曜日

袖丈不足縫い直し

頂き物の着物の袖丈が短い事ありますよね。
袖下に縫い込みが有れば簡単に直せますが、袖下に縫い込みがない時の
直し方の一例をご紹介します。
この着物は洗い張りしたところ、裁ち切り身丈が4尺3寸(約163㎝)で、
裁ち切り袖丈が1尺3寸(約49㎝)でした。
                           図はクリックで拡大表示されます
仕上がりの袖丈を1尺3寸に直したいと思います。
この場合裁ち切り袖丈は1尺3寸5分~1尺4寸になります。
前身頃から新しい袖をとります。
袖を切り取ったところに、前に袖だったものを足しますが、当然丈が不足します。
残布が有ればそれを、なければ色や風合いが近い布を足してやります。
この場合前身頃に3寸、後ろ見頃に4寸足しました。
胴に巻く帯の幅は4寸くらいなので、足し布が帯に隠れるように3寸迄にします。
丈の中心位置に襟肩明きを切り、後ろに繰り越します。
後ろの足し布は1部が繰り越し揚げの中に入りますので、
繰り越し寸法の2倍は、前より多くしても大丈夫です。

丈の中心位置に襟肩明きを切りますが、元の襟肩明きが衿付けの中に入るように背縫い代を増やして、新しい襟肩明きは少し多く切ります。
背縫い代を多くしても肩幅がとれるかどうか確認する必要があります。
下図◎印の長さが、肩幅寸法+3分(約1.1㎝)必要です。
これで裁ち切り寸法4尺4寸になりますので、繰り越し5分衿付け込み5分の場合の仕立て上がり身丈は、背で4尺2寸(約159cm)になります。

着付けた時に、足し布は帯の中に入って見えなくならないといけませんので、
足し布の位置は重要です。
足し布は、身八つ口の5分下に、前は3寸後ろは4寸まで入れられます。
それでも身丈が足りない時は、腰ひもの位置にも前後それぞれ1寸位まで
入れられます。
足し布を入れる位置は、腰紐の位置やおはしょりの深さ、帯を締める位置によって違いますので、それを考えて決める必要があります。
今回の場合の前身頃の足し布位置は低いので残布以外の別布を足す時は、
身八つ下に切れ目を入れて、そこに足し布を入れた方が良いかもしれません。

この直し方を使えるのは、小紋や紬など総柄の物だけです。
訪問着や付け下げには使えません。
ご参考になりましたでしょうか?
ご感想、ご意見、ご質問などお寄せ頂けると嬉しいです。

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〔 和裁塾 縁 会 〕

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